第29回高校生クイズ 問題分析

 第28回、第29回の全国大会では、ほぼ同一傾向のクイズが行われました。難易度が高い故、「どのような対策をとっていいか分からない」という声も多くありますので、1年間どのような対策をとるべきか、来年も今年と同一傾向になると仮定して解説します。

クイズ研究会有利=クイズ研究会向けの問題がたくさん出るから

 なぜクイズ研究会のチームが答えられる問題が多いのか。その理由は非常に単純で、28回、29回の高校生クイズには「ベタ問」と呼ばれる、クイズ研究会の大会でよく出るが一般常識とかけ離れた問題が多用されているからなのです。
 今年の全国大会問題を作った問題作家は全員が大学時代にクイズ研究会に所属していた人(準決勝担当を除く)なので、問題作家はどのような問題がベタ問なのかを認識して、演出のために意図的に多用しています。
 つまり、今の傾向が続くとするなら、全国大会で上位を目指すにはこの「ベタ問」を押さえることが必要不可欠になるのです。
 しかも、ベタ問として必要な知識は2〜3万問程度なのです。英字新聞を読むために覚えなくてはいけない英単語が5000語程度と考えると、必要な範囲は非常に狭いものと考えることができるでしょう。

クイズ研究会式の実力アップ法 キーワードは「問題集」「ベタ問」

 ではどのようにして知識をつけているのでしょうか。
 クイズ研究会の場合は問題集の読み込みや、問題集を使った早押しをすることでベタ問を覚えていくことが多いようです。
 先ほども書いたとおり、クイズ研究会の大会でよく出題される問題=ベタ問なので、ベタ問はクイズ問題集に必ず載っているという特徴があります。
 しかし、この問題集を入手する敷居が非常に高いため、クイズ研究会のもつベタ問の知識はクイズ研究会の外部に出ないというのが現状です。その現状を逆手に取って「みんな分からない問題を解ける=頭がいい」と思い込ませているのが昨年、今年の高校生クイズの手法なのです。

 では、その「ベタ問」を簡単に分類してみましょう。

クイズ研究会がやる問題の5つの型

(1)基本問題

 日常生活や学校で学ぶ知識で身につくことができる一般常識に関する問題のことです。27回までの高校生クイズでは多用されており、昨今の高校生クイズでも地区予選決勝などで比較的出題されています。
 また、問題集もヘキサゴンドリル、QさまプレッシャーSTUDYドリルなど、現在市販されているレベルのものが多いのも特徴です。

(2)短文ベタ

 その名の通り、クイズ研究会の大会でよく出題される、短文のクイズ問題です。現在市販されている問題集はほとんどなく、入手先は通販やネットが中心になります。ネットで入手できる問題集としては、クイズ研究会向けの大会「abc」の問題集がクイズの杜というサイトでダウンロードできます。(クイズ研究会にとっての頻出問題集であるabcと高校生クイズ問題作家が作った問題群のQuizRoadの2つをお勧めします。)

 高校生クイズの地区予選決勝では基本問題に近い短文ベタが、全国大会1回戦では、一般常識から離れた短文ベタがよく出題される傾向にあり、例えば第28回の全国大会1回戦では、上述したabcの問題集から15問も出題されるというほどの状況でした。

(3)昔ベタ

 例えば第28回大会のゲネンゲルや第29回大会のヒートリーなど、「超難問」と認識されている問題のほとんどがこの「昔ベタ」と呼ばれるものです。今年の決勝戦でも多数出題されています。
 昔ベタとは、1990年代前半のクイズ王ブームのときに市販されていた問題集に掲載されている問題というだけの意味しか持ちません。しかしながら、クイズ研究会の世界では昔の市販本を読み込む=大会で活躍できるようになるor評価されるという謎の図式があり、クイズ研究会の大会で活躍できる人=昔ベタを押えていることが必要条件という傾向にあるようです。
 このような現状を逆手にとって、第28回、第29回の高校生クイズでは「頭がいい高校生」を演出するために、高校生クイズの全国大会1回戦で差をつける問題や、決勝レベルの問題として昔ベタを多く出題しています。

 ちなみに、この「昔ベタ」を扱った本はほとんど絶版になっている上、ネットで入手することは困難です。しかも、クイズ研究会で活動していないとそのような本の存在を知る機会もないという意味で、クイズ研究会とそれ以外の参加者の差が1番つきやすい部分でもあります。(クイズには人脈が必要だといわれる理由もここにあります。)
 現時点での入手方法としては、Amazonやブックオフなどで古本を探すしか方法はありません。昔ベタのタイトルを集めているQC-STATIONのクイズ書籍紹介が役に立つかと思います。

(4)学生系ベタ

 1990年代後半の、視聴者参加型番組がほぼ壊滅した時代に大学クイズ研究会の中で隆盛した、やたら長文でやたら難問なクイズのことです。高校生クイズでは第29回の決勝の中でも難問レベルに分類されます。
 学生系ベタの問題集はMan of the yearなどの昔行われた大会の問題集といった、学生系のクイズ問題を出題する大会の問題集しかありませんので、クイズ研究会の大会に足を運ばない限りほとんど入手不可能です。実際には高校生クイズの最上位レベルでも学生系ベタを網羅できている人はほぼ皆無ですので、全国大会上位を目指す程度なら必要ない知識ともいえます。

(5)難問長文

 学生系ベタよりもクイズ大会における問題の出現率が低い分野です。学生系ベタとの違いは、クイズ研究会の大会で多く出るか、ぱっとしか出ない(あるいは新作)かの違いでしかありませんので、高校生クイズ程度では覚える必要はまずありません。

短文ベタと昔ベタの問題集をやれば全国大会の対策として十分

 幅広い知識を問われるのがクイズだと思ってる人にとっては非常に馬鹿馬鹿しいかもしれませんが、今の高校生クイズ対策は、短文ベタと昔ベタの問題集をやればそれで十分なのです。つまり、絶版になった本を買って、クイズの杜を読めば必要な知識はほとんど足りることになります。
 ただ、問題集の丸暗記には苦痛が伴います。丸暗記に苦痛が伴う理由は簡単で、断片化された知識で知識同士の繋がりを全く感じることができないから、本当に暗記が好きな人以外には向いていない勉強法だからなのです。(しかし、クイズ研究会ではそれが定石となっているため、敷居が高く感じられるというのもあります)
 しかも、昨年、今年の高校生クイズを見る限り、高校生クイズで優勝するには、メンバーの中に中学1年生の頃からクイズ研究会の第一線で活動している人がいることが必要条件になっており、今からクイズをやろうと思っている人にとっては最大で4年半の経験の差を埋める必要があります。(そういう意味で、クイズは機会均等ではないのですがそれは別の機会にお話します)。そのため、クイズ研究会と同じ勉強法をやってもまず勝ち目はありません。

極めるページのシーズンオフ企画で知識を身に付けよう


 そこで、高校生クイズを極めるページではシーズンオフ企画の1つとしてベタ問の体系化(教科書のように、クイズ問題を「繋がりのある知識」として分類、整理すること)に挑戦し、皆さんに提供します。メールアドレスを登録していただいた方に対し、ご案内をお送りいたします。トップページ右側のフォームよりご連絡ください。

目次